DX

DXの失敗と成功を分ける重要なポイントとは?先行事例からDX推進を成功させる4つのポイントを解説

DX

近年、ビジネスシーンで急速に浸透しつつあるDX。各企業では積極的な取り組みが行われています。しかし、DXに取り組んだ全ての企業が成功しているわけではありません。

この記事では、DXの失敗と成功を分ける重要なポイント、成功させるためのポイントについて紹介します。

DX成功の目的。

DXはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、直訳すると「デジタルによる変革」という意味になりますDXの目的は、ビジネスの変革を迅速に実現できるデジタル企業を実現させることになります。

社会にデジタル技術を浸透させて現在の生活を良い方向に変革したり、現状の価値観や概念を根底から改革するような技術革新を行うことです。

昨今では、在宅ワークでのオンライン会議や、オンライン上での購買など、今まで対面で行われてきたものがデジタル上のやりとりに変わってきています。ビジネスや日常生活においても、今後DXがますます重要な役割を果たしていくと言えます。

IT化、IT導入との違い

DXはIT化やIT導入とは意味が異なります。

IT化やIT導入は既存の業務プロセスは変えずに、今まで人が行っていた作業をIT化して効率化する方法を指しています。一方DXは、デジタル技術やITを活用して、既存の業務プロセスや製品、サービスなどを根底から変革することを指します。DXは、IT化やIT導入を1つの手段として利用し、根本的な業務の変革を推進していくことです。

DX化が求められている背景

DX化が求められている背景としては、2018年に経済産業省がまとめた「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開」が関係しています。このDXレポートの中では「2025年の崖」という問題が提起されており、その解決方法としてDXが推奨されました。

経済産業省発行のDXレポート

経済産業省が設置した「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」においてDXが議論され、その内容がDXレポートとして公開されています。

2018年9月に公開されたのが「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」で、古いITシステムのメンテナンスに必要以上の人材や費用が使われているため、新しい技術導入を阻害しているという概要です。

2020年12月には「DXレポート2(中間取りまとめ)」が公開されました。このレポートでは、DXをさらに促すためのアクションリストが示されています。

さらに2021年8月には「DXレポート2.1(追補版)」が公開され、今後の産業がどのように変化していくのかが示された内容になっています。企業単独でDXに取り組むのではなく、業界内の企業が協力し合って共通のプラットフォームを構築することで、新たな価値が生み出されると示されています。
(参考:経済産業省「デジタル産業の創出に向けた研究会の報告書『DXレポート2.1(DXレポート2追補版)』を取りまとめました」

2025年の崖

2025年の壁とは、経済産業省の「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜」で用いられている言葉です。

DXを推進しなければ現在使用しているシステムを使い続けることになり、システムダウンやデータ損失などの障害にかかる費用が膨大となってしまいます。そして2025年以降の経済損失額を推定すると、年間で約12兆円の損失がでるという内容です。

DX推進が失敗してしまう理由4選

経済産業省が推進しているDXに取り組んだとしても、必ずしも成功するとは限りません。実際にDXに取り組んだ企業では、大きな成果を得られていない場合も少なくないようです。どのような理由があるのか紹介します。

明確なゴール設定がない

DXに取り組む際、明確なゴールを設定していないと成果を出すことはできません。DXで成果を得るためには、短期的ではなく中長期的に企業全体が協力し合って進めていく必要があります。

明確なゴールとしては、例えば、売上アップ、コスト削減、生産性の向上、業務の効率化、顧客の体験価値の向上、新しいビジネスモデルへの変革、業界内での革命などが考えられます。

「攻めのDX」に踏み込めていない

DXの失敗の理由としては、攻めのDXに取り組めていないことも挙げられます。

DXへの取り組みは「守りのDX」「攻めのDX」の2つに分けて表現することができます。「守りのDX」とは、単なるIT化やIT活用を指しています。既存業務のデジタル化、IT化などで紙媒体からデジタルデータへの移行、リモートワークやオンライン会議などの導入などで既存業務の効率化という位置づけです。一方「攻めのDX」とは、既存業務や製品、サービスなどに付加価値を付けたり、新しいものを創出したりして、既存業務を変革する取り組みになります。攻めのDXに取り組んでいくことが成功のカギになると考えられます。

事業部門との連携不足

企業内の事業間の連携不足がDXの失敗理由になっている場合もあります。DXは事業部門同士が協力し合って進めていく必要があるのですが、協力し合うよりも競い合うことに注力してしまい、各部門が自身のニーズを最優先にして取り組んでしまうためです。

DXを進めていく上では、部門間の連携は必要不可欠となります。

コストの課題

DXを推進するためにはコストがかかります。DXを推進するためのコストが捻出できなければ、十分な取り組みができず失敗してしまいます。DX推進のための費用を確保しておく必要があります。

DX推進を成功させるポイント4選

ここではDX推進を成功させるためのポイントを4つ紹介します。

適切なゴール設定

DXを推進するためには、どのようなゴールを目指すのかというゴールの設定が重要です。ゴールが決まらないと具体的な施策が検討できません。

そして設定するゴールは適切な内容である必要があります。適切なゴールの設定を行うためには、自社内の現状に目を向け、どのような課題があり、何を改善していく必要があるのかを詳しく調査して決定していく必要があります。

スモールスタートで開始

DXは1度実施すれば終わりではありません。DXは段階的に進めていく取り組みとなります。まずは低予算で比較的取り掛かりやすい内容から始めることが成功のポイントです。取り掛かりやすい内容の成功事例を積み上げていくことで、DX推進に対しての理解が浸透し、他部署との連携で進めることが可能な環境が構築できるでしょう。

人材の育成

DXを推進していくためには人材が必要です。優先的に人材の確保や育成を進めましょう。また、DX推進を対象とした部署で働いている既存の人材に対しても、協力が必要となってくるので、DXの理解のため育成が必要となります。

既存業務が忙しく、なかなかDXの育成が進まないことも考えられるため、全社的にDX人材を育てるための環境整備が必要となります。

システムの導入

システムを導入することもDXを成功させるポイントの1つとなります。

例えば、RPAシステムです。人がパソコンで行う作業を自動化することができるシステムで、自動化できればヒューマンエラーや定型作業自体を削減することが可能となります。

大切なのは、DX推進の目的に合ったシステムを見極めて導入することです。各企業によって課題や問題点、改善点はさまざまなため、自社に合った最適なシステムを選択する必要があります。

DXの成功事例と失敗事例

DXを推進し「デジタルによる変革」まで実践できている企業は一握りと言えます。ここでは各企業のDX成功事例、失敗事例について紹介します。

成功事例

DXの成功事例として以下の3社を紹介します。

  • クボタ
  • メルカリ
  • Spotify

高齢化が進む日本において、農業に携わっている人の平均年齢はおよそ67歳。新たな担い手が増える目途は無く、農業に携わる人口が激減していく見通しです。

そのような状況の中、日本の農業を魅力ある強いビジネスに成長させるため、ICTやロボット技術の活用、効率よく高品質なものを生産できるスマート農業の研究開発を行い普及に取り組んでいます。

段階的に取り組みが進められており、現在は有人監視下での自動走行、自動作業が行えるシステムを実現させています。
(参考:クボタのスマート農業

事例2:メルカリ

従来の個人同士のビジネスは、パソコンを利用したネットオークションが主流でした。しかしメルカリはオークション方式ではなく、フリーマーケット方式を採用し、売買のハードルを下げて気軽に出品できるような仕組みを採用したことがポイントです。

また、パソコンではなくスマートフォンでの利用を前提としたユーザーインターフェースを開発することで、気軽に利用できる環境を構築し普及させています。
(参考:デジタルトランスフォーメーション事例

事例3:Spotify

Spotifyはスウェーデンに本社がある音楽ストリーミングを提供している会社です。CDの購入やレンタルが主流だった従来の音楽サービス形態から、スマートフォンを使ってインターネット上にある音楽を再生できるサービスを提供しています。インターネットに繋がっていれば、いつでもどこでも好きな曲を聞くことが可能となりました。
(参考:デジタルトランスフォーメーション事例

失敗事例

DXの失敗事例として以下の3社を紹介します。

  • 三越伊勢丹
  • GE
  • P&G

失敗1:三越伊勢丹

三越伊勢丹では2013年に「FANCY(ファンシー)」というアメリカで設立されたソーシャルコマースサービスに出展しました。FANCYはアメリカのセレブたちが利用していることで知られており、セレブたちがキュレーターとして商品を紹介するサービスです。

しかし出店してみたものの、顧客からの反応は良くなく、効果も出ない結果に終わってしまいました。

失敗の要因は、目標設定があいまいだったこと、費用対効果を適切に予測できていなかったことが挙げられます。
(参考:三越伊勢丹マーケDX失敗の教訓 課題解決型に“2つの落とし穴

失敗2:GE

GE(米ゼネラル・エレクトリック)は世界有数の複合企業(コングロマリット)です。2011年に既存のハードウェアのビジネスから、IoTを使用した産業用のデジタルプラットフォームビジネスにシフトを試みました。

2020年にはソフト会社として世界のトップ10に入る目標を掲げてデジタル変革を進めていましたが業績は悪化し、2019年には継続を断念する結果となりました。

失敗の要因は、社内や顧客などの関係者を除外して変革を進めてしまったことです。その結果、GE社内での軋轢や確執が生まれたり、開発した商品が顧客ニーズと不一致であったり、さまざまな問題が発生してしまいました。
(参考:【国内・海外】DX(デジタルトランスフォーメーション)事例集成功事例と失敗事例も掲載

失敗3:P&G

世界的な消費財メーカーのP&Gは、2011年にDX推進を宣言しました。しかし達成すべきゴールの設定や指標があいまいにもかかわらず、膨大な投資を行い進めてしまったため、失敗という結果となりました。

同社はすでに市場No.1のシェアを確立していたのですが、DXへの取り組みとして顧客満足度を上げるという漠然とした目標を掲げて突き進んだ結果、逆に競争力が弱まってしまうなど悪化する結果となりました。
(参考:【国内・海外】DX(デジタルトランスフォーメーション)事例集成功事例と失敗事例も掲載

DXを成功させるには実現後のイメージを言語化することが重要

DXを成功させるためには、DX実現後のゴールイメージを視覚化・言語化することが重要です。関係者全員がDXを推進した結果、自分たちの業務がどのような形に変わるのか、どのようなじょうたいになるのかをイメージすることができれば、DXを推進していくことは容易になると言えます。

DXに取り組む前にはDX推進後のあるべき姿を十分に検討し、コールイメージを言語化しておくことが大切です。

まとめ

今回の記事では、DX推進の成功について解説しました。コンサルティング案件などを探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

※DX・PMO案件をお探しならfoRPro。
求人のご紹介、企業の独自情報等をご希望の方はぜひご登録ください。

    新規会員登録(無料)

タイトルとURLをコピーしました