DX

SSC(シェアードサービスセンター)を成功させるためのポイント総まとめ、メリット・デメリット、設置のポイントまで解説

DX

SSCの概要と種類

シェアードサービスとは、グループ内における複数の企業が実施している共通業務を集約させ、一元的にサービスを提供する体制へと移行する経営手法を指します。

シェアードサービス導入を通じて、集約した業務を運用する組織がSSC(シェアードサービスセンター)です。これにより、コスト削減や業務効率化を実現します。

SSCには大きく2つのパターンが存在します。

親会社の部門内にSSCを設置するケース
親会社内の複数部門や子会社から業務を集約し、一元的な対応を進めていきます。

シェアードサービスを実行する企業を別の子会社として独立させるケース
この場合には、関連企業・組織の業務集約・効率化を図るとともに、サービスを外部に販売していくという役割が期待されることもあります。

SSCが広がる背景

海外では先行してSSCの導入が進められてきましたが、日本においても多方面からのニーズにより、導入が広がりつつあります。

M&Aや分社化による効率化
近年は、日本においても国内外含めたM&Aや分社化といった動きが増えています。これにより、複数のグループ会社を一体的に効率よく運営することを目的として、SSCの導入が注目されているのです。

コロナウイルスによる影響
リモートワーク環境への移行を進める企業も増え、これまでの働き方が大いに見直されつつあります。このような働き方改革と併せて、ペーパレス化やクラウド化を通じた業務のDXを進めるとともに、SSCを導入することは、業務の効率化を目指すうえで有効です。

中長期的な人材の確保
今後、労働力不足が深刻となることが予想される中、持続的な企業活動を展開していくためには、より一層、業務の効率化を進めていくことが不可欠です。SSCの導入によって、より少ない人数で必要な業務に対応することができることから、SSCは業務改革を実現する有効な手段のひとつとなります。

SSCの対象業務

シェアードサービスの対象とする業務は、次の2つの観点より選定することができます。

①会社ごとの事業特性を比較的受けづらい業務
②グループ内において、専門性の向上を図りたい業務

コスト削減に直結する①にあたる業務が対象となるケースが多いですが、グループ内における経営資源の効率活用やノウハウ蓄積による品質向上を目的とし、②にあたる業務の集約化も進んでいます。

主な対象業務としては以下があげられます。

・総務業務(設備・資産管理等)
・人事業務(給与・賞与計算等)
・経理・財務業務(債務管理等)
・調達業務(予算策定・実績分析等)
・情報システム業務(ハードウェア・ソフトウェア管理等)

SSCのメリット

SSCを導入する主なメリットとしては、コストの削減や品質改善があげられます。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。

コスト削減・業務効率化
これまでグループ内における企業・組織がそれぞれ実施していた業務を集約することによって、業務の重複をなくすことができるとともに、スケールメリットが働くことによって、人件費や必要設備にかかるコストを大幅に削減することができます。

また、グループ内の情報が一元管理され、情報を迅速に把握することができるため、グループ連結での決算資料等を作成する対応も容易となり、これまで要していた作業時間を大きく減らすことができます。

グローバル展開を進めている企業であれば、海外における比較的人件費の安い地域にシェアードサービスを実施する拠点を設けることによって、コスト削減を図ることも可能です。

品質改善
業務の集約・一元化により、業務実施に伴うノウハウが蓄積され、専門性を強化することが可能です。

これにより、業務の実行方法が最適化され、品質改善につなげていくことができます。また、品質改善の結果として、グループ内だけではなく、グループ外からサービス委託を受けることができる可能性も生まれてきます。

内部統制の強化
グループ内の業務・データの集約により、それらが可視化されることはガバナンスの強化にも貢献します。

企業や組織ごとに独自の業務運用ルールや判断基準が存在することもありますが、それらが社員による不正や情報漏洩といった事案につながってしまうケースもあります。

統一的な業務の運用を実現することで、企業経営の健全化に向けて、不正やセキュリティリスクの低減を図ることができます。

SSCのデメリット

SSCの導入を検討する際には、留意すべき点も存在します。これらを事前に十分認識しながら、検討を進めることが重要です。

導入時の負担
SSC導入にあたり、複数の企業・組織から業務を集約する際には、業務の移管コストが発生します。業務を集約するという対応は、単に作業場所を1か所に集めるという話ではありません。

これまで異なる企業・組織において、それぞれ行われていた業務は必ずしも運用方法が一致していないため、業務の形をそろえる標準化の対応が欠かせません。

このような業務集約の際の標準化を進める対応と、新たな業務運用を軌道に乗せるための段階においては、どうしても組織や社員に負担が生じてしまいます。

また、これまで企業・組織間で異なるシステムが活用されていた場合には、その統一も必要です。こうしたシステムの統合にも相応の負担が発生します。

市場原理が働かない可能性
グループ内に設置されたSSCは、営業活動を行わずとも一定の仕事が割り当てられる状況にあります。市場の競争環境に置かれていないことが原因となり、コスト削減や業務改善に向けた対応が思うように進まなければ、期待していた効果が得られることはありません。

この場合には、これまで散在していた業務を単に1か所に集めただけに終わってしまい、SSC導入時に思い描いた結果を得ることができない可能性があります。

モチベーションの低下
SSCに異動や転籍となると、基本的にはグループ内からの依頼に応じた対応が社員の主な業務内容となります。SSCとして対応するサービスの範囲が限定的である場合には、それに伴い、社員が取り組む業務の内容も限定されることとなります。

結果として、SSCで働く社員は、その組織の中でどのようにスキルを身につけていくか、キャリアアップを目指していくかを描きづらい状況に陥ってしまいます。

さらに、グループ内からの限定的な業務対応依頼を受けることにとどまり、SSCが対応するサービスの範囲が広がりを見せない場合には、組織として売り上げを伸ばすことができず、それを社員に昇給という形で還元することも難しくなってしまいます。

SSC導入が有効なケース

SSCの導入はどのような状況において有効なのでしょうか。ここでは、大きな効果が期待できると考えられる2つのケースを解説します。

複数の企業・組織間において、異なる運用方法で類似業務を実施しているケース
グループ内の複数企業・組織において、類似の業務を実施しているにもかかわらず、各企業・組織がばらばらに、異なる運用方法のもとで業務を進めている場合があります。

これは、グループ全体として捉えた場合に、必ずしも業務効率が最適化されている状態ではありません。

SSCに類似業務の集約を図り、業務の標準化を進めることによって、これまで存在していた業務の重複を取り除くことができるとともに、業務効率を改善することができる可能性があります。

人材確保の観点から、中長期的な業務継続性に懸念があるケース
今後、少子高齢化や労働力不足の低下がますます進行していくことが予想されます。

このような状況において、企業活動を継続していくためには、安定的な雇用の確保に努めることに加え、業務効率化を進めることによって、より少ない人数で業務を運用することができる体制を整備していくことも重要です。

SSCを成功に導く鍵

SSCを導入したものの、コスト削減や品質改善が思うように進まないという状況に陥らないために、押さえておくべきポイントを解説します。

SSC導入の目的やSSCの役割の明確化
SSCの導入を実行する際には、その目的を明確にし、関係者間でその認識を共有しておくことがポイントです。

業務の集約そのものが取り組みのゴールとはなりません。コスト削減や品質改善といった目的を常に念頭に置きながら、取り組みを進めていくことが非常に重要です。

また、SSCはグループ内の企業・組織からの依頼にそのまま応えるのではなく、能動的に自ら業務効率の追求・品質の改善を目指す姿勢を持つことが重要です。形式的な業務の集約のみに目を向けるのではなく、その目的や業務の移行先となるSSCの役割に着目することが、SSC導入の効果を大きく左右します。

業務集約や標準化の徹底
SSC導入の効果を最大化させるためには、様々なグループ内企業・組織における類似業務を集約することがポイントです。

しかし、グループ内における他企業・組織への配慮から、業務集約の徹底が行われない場合があります。また、比較的粒度の小さい業務や類似性に乏しいと判断された業務が集約対象から除外される可能性があります。

このように、類似性のある業務を集約し、その標準化を図っていくという対応が徹底されなければ、結果として、多くの既存業務が各企業・組織に残されたままとなってしまい、グループ全体としてのコスト削減や品質削減の効果は小さなものとなってしまいます。

導入による効果検証
SSCの導入は、業務の集約がゴールではありません。SSCへの業務集約が完了した後、当初の目的が達成されているかどうか、その効果を検証することが重要です。

期待していた効果が十分得られていない場合においては、業務の集約・一元化の徹底がなされているか再度確認するとともに、標準化を図った後の業務の運用方法が適切なものであるかを見つめなおします。

拡張性の考慮
SSCを導入した後に、グループ企業が新たに増える可能性もあります。

この場合、SSCが対応を求められる業務量が増加することから、将来的な拡張性も十分考慮したうえで、SSCにおける業務やシステムのあり方を検討しておくことが重要です。

モチベーション低下を防ぐキャリアプランの明確化
SSCに配属された社員のモチベーションは、SSCの導入効果に大きな影響を及ぼすものです。

モチベーションの低下を生じさせないためにも、企業として、そこで働く社員のキャリアプランを明確化し、しっかりと人材育成を進める姿勢を示すことが重要です。

併せて、SSCそのものの成長の可能性にも目を向け、売り上げや利益の向上をどのように目指し、それをどのように社員に還元していくかを検討しておくこともポイントです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回の記事では、SSCを成功させるポイントについて解説しました。コンサルティング案件などを探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

※案件単価は150~400万円、大手取引数100社超。
フリーコンサル案件をお探しの方はご相談下さい。

    新規会員登録(無料)

タイトルとURLをコピーしました