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【具体例から学ぶ】DX推進の背景課題・障壁とその対策例まとめ

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MAを導入することで、営業商談化率を向上させることを狙う

江崎グリコ株式会社は、もともと名刺情報リストをもとに、商談のアポ取りや、商品カタログへ誘導するメール配信などの営業活動をおこなっていました。しかし、商談化率やメールの開封率が上がらず、営業活動の効率の低さが課題になっていました。また、Webサイトが同部門の売上にあまり寄与していないという実態もありました。

検討を重ねた結果、SalesforceのMAツール「Pardot」を導入することで課題の解決を目指しました。同システムでは、名刺の顧客情報に加えて、Webコンテンツのダウンロード情報、企業の特性や想定される購買タイミングなどの一元管理が可能になっております。こうした情報を活用して、効率的なメール配信や商談の設定などをおこなうことで、飛躍的にメールの開封率や商談化率が改善しました。

Pardotの導入を進める中で、当初は営業員がWebでの集客に積極的でなかったことが阻害要因となりました。営業はサンプルやカタログを持参して交渉するものという考え方を持つ営業メンバーが多かったためです。Webサイトからの問い合わせを煩わしく思う営業員もいました。

しかし、ターゲット分析を行い、それに合わせてWebサイトやメールマガジンをブラッシュアップさせていった結果、早くに成果に結実しました。当初は懐疑的だった一部の営業員も成果が出ていることに納得し、今ではWebを活用したマーケティングや商談がスムーズに進められているとのことです。
(参考:営業の名刺情報のリスト化だけでは限界があった商談化率の向上)
(参考:江崎グリコ株式会社営業本部事業開発部様

自社の強みをDX化することにより、差別化と新規事業への拡大を狙う

DXを起点にビジネス領域の拡大を目指しているのがセブン銀行ですが、ATMを起点としたビジネスの差別化を模索していました。

ビジネス領域の拡大の方向性を模索する中で、ATMに顔認証システムがあればいくつかの新事業が始められる余地があることが判明したのです。同社は第四世代のATMから顔認証システムを導入することにしました。

早速、NECのAIカメラを活用した生体認証システム「Bio-IDiom(バイオイディオム)」を取り入れた第四世代のATMを開発し、2024年までには入れ替えが完了予定です。

第四世代のATMでは顔認証システムを搭載したことで、次のようなサービス展開を計画しています。
・銀行口座の開設
・音楽、コンサートチケットの発行
・保険契約の申し込み
・ECサービスのアカウント開設

セブン銀行は今後順次これらの新ビジネスに進出予定であり、他のATMより多くのサービスを提供することで、差別化を目指しています。
(参考:セブン銀行中間ディスクロージャー誌2019
(参考:セブン銀行、顔認証・AIを導入したATMを開発、2024年度までに全機入れ替え
(参考:セブン銀行が挑むATMの「破壊と創造」、顔認証機能の搭載で狙うあの需要)             

メーカーと販売店の情報連携を促進し、戦略的な営業活動が可能になる

トヨタ自動車は次世代の営業活動支援システムを模索する中で、次のようなシステムを目指すことにししました。
・使用する営業ツールやプロセスの裁量は各販売会社に残す
・一方で、本社のデータと顧客データは即時連携させる
・24時間365日稼働し、各販売会社の営業時間の違いに対応する

そのために、トヨタの基幹システムと次期営業活動支援システム、さらにAWSに格納した各種データベースを、テラスカイが開発/運用を手掛けるクラウド型データ連携サービスの「DataSpider Cloud(データスパイダー・クラウド)」上で連携を実現させました。

データ連携させるための基盤は、各販売会社向けに280基盤構築しましたが、この基盤構築が技術面で苦労したポイントでした。旧営業支援システムは500万ステップ、連携先の基幹システムは3000万ステップと非常に大規模でありながら、極めて複雑な処理が多頻度で行われていたためです。「DataSpider Cloud」の設定を可能な限り自動化することで、構築にかかる工数を削減するなどの工夫を講じたものの、安定稼働までには5ヶ月の期間を要しました。

こちらのシステムを24時間365日稼働させることで、休日や営業時間が異なる全ての販売会社に対応させることが可能になりました。実際の管理・運用はテラスカイグループのクラウドMSP専門会社である「スカイ365」が担っています。トヨタでは、このクラウドシステムを活かした次世代営業支援システムにより、トヨタグループ全社の営業活動の効率化や、全社の顧客データを統合することによる戦略的な営業活動の展開を目指しています。

基幹システムを刷新することで、取引先を巻き込んだ業務改革が可能となる

業務用機械を開発する製造業であるNISSYOは、ITを導入することによる業務効率の改善余地が各所にあると考えていました。
・FAX仕様による非効率
・在庫、顧客などのデータ入力の煩雑さ
・納入状況や生産工程の状況把握の手間

そこで、全社的に業務効率化を図るために基幹システム『TECHS-S』を2017年に導入しました。図面管理、生産管理、各種集計など業務の多くをデジタル化し、ペーパーレス化に役立てています。その後受注・発注業務の電子化のためのシステムも導入し、さらなる効率化を推進しています。

現在はまだ電子化の過渡期で、月間の仕入数や仕入金額が多い取引から優先的に電子化を進めています。現在の経過段階でも、少なくともFAXやメールの送信の時間が1/7、紙は半分をペーパーレス化、取引先様の出荷状況把握にかかる時間が1/4と高い成果が発揮されています。

さらに、取引先・社内での情報連携が迅速かつ精緻化されたことで、取引先への納期・単価回答の迅速になりました。取引先と同画面でデータ共有ができるようになり、コミュニケーションのロスが減ったことで、関係性の強化にもつながるなど、DXが営業強化にも大きく貢献しています。
(参考:BtoBプラットフォーム導入事例 - 株式会社NISSYO 様

システム開発やクラウドを活用することで、工場のDX推進を行う

久野金属工業は、1947年創業の金属加工メーカーで、約300人の従業員が自動車などのプレス加工製品の開発・量産をおこなっています。以前より設計にCAD/CAMなどのコンピューター設計システムを用いるなど、ITを活用する文化はありましたが、近年は徹底的な工場の自動化を推進しています。

同社ではこれを「攻めのIT」と呼んでおり、これまでは手作業で情報集していた生産設備やマシンの稼働状況のデータを自動取得、PC・スマートフォンからモニタリングできる「IoT GO」を開発、実用しています。稼働状況をモニター上で管理できるようになったため、機械の効率稼動が実現しました。

さらにデータをクラウド上に配置し、社外からのアクセスを可能にすることで、外部から製造管理を行えるようになったため、働き方改革や、コロナ禍で急速に広がったテレワークの潮流にもスムーズに対応しています。子どもが保育園や学校に通っている時間帯だけ仕事をするなどといった時短勤務も積極的に導入しています。
(参考:中小企業におけるDXの成功事例5選【従業員規模別に解説】

システム構築と合わせた現場の意識改革が、経営改革につながる事例もある

旅館業を営む陣屋は、バブル崩壊後売上の減少が続いており、2009年には7000万円の赤字を計上するなど、倒産寸前の状況に追い込まれていました。なんとか事業を立て直そうと、陣屋の課題を探ったところ、ずさんな管理体制や情報伝達の不備などがサービス品質を下げている実態が浮かび上がりました。

DXでこれらの課題が解決するであろうことは認識されており、旅館のフロントにシステムエンジニア経験者がいたこともあって、顧客管理ツールのSalesforceを導入した独自システム「陣屋コネクト」の開発を進めました。

一方、DXを進める上で障害となったのは従業員の旧態依然とした勤務態度です。もともと縦割り的な組織構造になっており、一人で効率的にタスクをこなす仕組みがないことが非効率の温床になっていました。DXの効果を発揮するためには、従業員がシステム導入によって空いた時間でマルチタスクを効率的にこなすよう従業員の意識改革が必要だったのです。

主人であり当時の社長は製造業で働いた経験を持っていたため、その時の経験を生かしてマルチタスクを取り入れる形で業務プロセスを見直していきました。当初は古い従業員からの反発も多かったとのことですが、倒産寸前の経営環境を重く捉えて、合理的なプロセスの導入を粘り強く推進しました。最終的には効率的な業務プロセスを浸透させることに成功したのです。

当初は予約システム機能からはじめて、勤怠管理、業務連絡、原価管理など多くの機能の自動化を達成。コミュニケーションミスの減少や、人員配置の効率化などを達成し、経営状況の黒字化に成功しました。
(参考:老舗旅館『陣屋』が実行した驚くべきICT経営革命【SalesforceによるDX事例】

DX推進の成功ポイントは課題解決思考にある

今回紹介した成功事例をみると、まず課題意識が先行してDXが進められていることがわかります。流行りに乗って闇雲にITを導入するのではなく、あくまで社内で上がっている課題を解決する手段としてDXがおこなわれているのです。目的意識を明確にすることが、適切なDXの推進につながります。

また、クラウドサービスを使用している事例が多いのも特徴的です。最後の陣屋の例では特に重要なポイントとなっていましたが、クラウドサービスは初期開発コストが圧縮できます。そのためオンプレミス型の開発より柔軟にDX推進が可能になるのです。

今回紹介した大企業・中小企業それぞれのDX事例を参考にしながら、自社の課題を洗い出し、DXによって解決できる部分がないか検討してみることが効果的です。

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今回の記事ではDX推進の背景事例とその課題を解説しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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