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【DX内製化トレンド】外部委託との比較や注目される理由、最新トレンドまでを解説

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DX内製化が注目される背景とは

DX内製化が注目される背景は複数ありますが、本章では代表的なものを取り上げて解説します。

ベンダー依存によるコスト増大
外部ベンダーなどに発注をする際、システム開発費の見積もりを行いますが、その費用が適切なのかどうかをクライアント側が判断することは非常に困難です。

基幹システムなどの大規模な開発となると、不透明な料金体系に加えマージンなども上乗せされることが背景になります。

その上、完全にシステム開発をベンダーに依存してしまうことにより、システム運用後の運用・保守などにも費用が発生します。

運用・保守などのランニングコストはベンダー依存度が高まるにつれ増大しており、このコストを見直す動きが企業側で生まれています。

システム改修期間の長さ
以前はベンダーに変更を依頼して、数週間~数か月の納期でシステム改修を行ってもらえば問題なかったため、システム改修期間の長さは大きな問題とはなりませんでした。

しかしビジネス環境の急速な変化が生じ、またIT技術が企業固有の強みとして認識されていくなかで、数カ月の改修サイクルでは競合他社に後れをとるようになりました。

そのため外部ベンダーに依頼することによるシステム改修期間の長さは大きな問題として認識され、技術的に可能な範囲や業務上コアな部分などは内製化を進める動きが活発になっています。

技術の進歩・開発環境の充実
技術進歩によるシステムの複雑化、高度化が外部ベンダーへの依存を引き起こしたことは前述した通りですが、近年の技術進歩はかつてと異なり技術の民主化の動きが見られます。

代表的な技術としてはノーコード・ローコードが挙げられます。

ノーコード・ローコードのサービスが発達し、非エンジニア人材であっても簡単なシステム開発などは行うことが出来ます。これにより多くの企業でノーコード・ローコード研修などを取り入れ、システムを一部内製化する動きが見られます。

DX内製化に関する最新トレンドとその割合

DX内製化に関する最新トレンドとしては、エンジニアなどのプロ人材を自社で採用することで自らシステム開発を行う形が主流です。

例えばセブン&アイはIT・DXを社内の重要施策として捉え、内製化に大きく舵を切っています。

詳細は事例部分で後述しますが、「2019年10月にエンジニア専用の採用チームを立ち上げ、既に2021年6月までに約160人のIT/DX人材を中途採用した」としています。

その他、カインズ・ファーストリテイリング・良品計画などの大手企業でも同様の動きが見られており、システム内製化の意識が高まっていることが見て取れます。
(参考:DX先進企業は内製へ、セブンや無印がITエンジニア大量確保に動く必然

またシステム開発を内製化している国内企業の割合にも注目してみると、

「IPAが2021年10月11日に公表した最新の日米調査リポート「DX白書2021」でも、顧客接点を担い変化の激しいSoE(System of Engagement、エンゲージメントのためのシステム)領域のシステム開発手法について問うたところ、「内製による自社開発を活用している」と答えた日本企業は19.3%。」とされています。

米国では逆に「活用していない」と回答した割合が14.6%だったことも明らかになっており、日本企業におけるシステム内製化の遅れが数値として表れていることが分かります。
(参考:システム開発「内製」ブームに危惧、重なってみえるあの状況

DX内製化に伴い企業の抱える課題

DX内製化に伴い企業が抱える課題として下記が挙げられます。

・DX人材の不足
・経営陣のDX意識の低さ

DX人材の不足
日本においてDXを担えるIT人材は事業会社ではなく、ベンダー側に偏る傾向にあり、この問題は政府の発表するDXレポートでも「わが国では IT 人材がベンダー企業に偏り、雇用環境も米国とは異なる」と述べられています。
(参考:DXレポート

DX人材の不足に関しては、社外からプロ人材を採用してくる方法と、社内の人材をDX人材として育成する2つの方法でアプローチする必要があります。

特に後者の育成方針は中長期的に企業に必要となるため、DX人材育成ノウハウの蓄積が急務となっています。

経営陣のDX意識の低さ
日本では他国に比べてまだまだ経営陣のDX意識が低く、なにか行いたいと思っていても言語化出来ていないパターンも多くあります。

しかしDXを推進するうえではトップとなる経営陣のコミットメントが必須となります。

内製化にしても外部委託にしても経営陣が会社の方向性としてDX推進を掲げる必要があるため、経営陣がDXを企業の重要戦略として位置づける必要があります。

DX内製化のメリット

内製を行うメリットは複数あります。

コストの削減が可能
内製化することで、アウトソーシングにかける開発費とその後の運用・保守費を大きく削減することが可能です。

内製化のためにDX人材採用・育成などは別途費用としてかかることになりますが、会社にとって中長期的にどちらの方が良いのかを判断することが必要です。

変更対応がスピーディー
外部ベンダーに委託していた際は、細かなシステム改修でも多くの時間を要すことがありましたが、内製化に成功すればそのタイムラグを大きく削減できます。環境の変化が目まぐるしいこの時代に、迅速な変更対応は必須でしょう。

自社にノウハウが蓄積される
外部ベンダーに委託していると楽ではありますが、自社にノウハウが蓄積されることはありません。自社にノウハウを蓄積させることで、何かトラブルが生じた際でも都度最適な対応を自社で行うことができます。

競争優位性の創出が可能
社内の知識を集結させてシステム開発を行うことで、内製化したシステムは競争優位性にすらなりえます。

もちろん外部ベンダーに委託した際でも上記のようなシステムを作成することは可能ですが、情報漏洩リスクなどを鑑みると、自社内で開発が完結すると安心です。

DX内製化のデメリット

希少なDX人材を確保する必要がある
DX人材は現状採用が難しく、なかなか採用目標が達成できないということも考えられますので、その可能性を考慮にいれておくと良いでしょう。

DX人材の育成に時間がかかる
中長期的にDX人材の育成は企業に大きなメリットをもたらしますが、時間軸としてどこまでが許容できるのかは事前に把握しておく必要があります。

外部委託のメリット

専門的なノウハウをシステムに反映できる
まず何と言っても専門家の専門的なノウハウをシステムに反映できるのは大きなメリットです。自社のDX人材が専門家レベルに育つのはかなりの時間を要します。

まずは専門家のノウハウを取り入れながら、DX人材候補を専門家のもとでプロジェクト参画させて学ばせるなどの方法を検討しても良いでしょう。

自社のコア業務に集中が出来る
システム開発などに自社人材の時間が取られて、コア業務に支障が出ては本末転倒なので、自社の対応可能範囲を探りながら、外部委託も検討する必要があります。

外部委託のデメリット

外部委託のデメリットは内製化のメリットの裏返しとも言えますが、大きく3つあります。

社内にノウハウが蓄積されない
外部委託のみだと社内ノウハウは蓄積されず、ベンダー依存が高まる危険性があります。加えてベンダー切り替えを行うと、これまでのノウハウが失われ、不測の事態に対応が難しくなります。

コストが適切かを判断出来ない
相見積もりなどでおおよその相場観を掴むことは可能ですが、その金額がそもそも高いのか低いのかという判断が出来ません。特に基幹システムなどの開発は大きな金額が動くので注意が必要です。

改修サイクルが遅れる
外部ベンダーに依頼すると自社内で対応するパターンと比べてスピードが遅れます。たとえ細かな修正でも数週間かかることがあります。

戦略上重要なITシステムとそうでないシステムに分けて、対応可能な範囲から内製化を始めるなどの対策が必要です。

内製と外部委託を判断するうえでの確認ポイント

内製と外部委託を判断するうえでの確認ポイントを解説します。

費用が適切な範囲であることを確認する
DX人材を採用・育成することで相場観を養うなど対策が必要ですが、常に費用が適切かを考えることが重要です。そのうえで内製化するよりも外部委託の方が安くなる可能性もあるため、十分に検討しましょう。

現状の自社内リソースで内製化可能な範囲を確認する
いきなりすべてを内製化しようとするのではなく、内製化可能な範囲を探ることも必要です。自社のリソースでどの範囲までカバーできて、戦略上重要なシステムはどの部分なのかなどを検討事項として対応可能範囲の絞り込みを行うと良いでしょう。

内製化した企業事例

最後に実際に内製化を成功させた企業事例をご紹介します。

セブン&アイ・ホールディングス
「ITやDXを自社の競争優位の重要施策と位置付けるなら、それを外注するという選択肢はあり得ない」と執行役員が話している通り、ただのDXではなくセブン&アイとして重要な施策だと捉えており、IT・DX人材を多く採用しています。

セブン&アイの場合、内製化を行ったのはスピーディーな開発が必要だったためで、「外部に任せるとスピードが出ず、自由度も上がらない。なので内製が必要と判断した」と語っています。

また外部委託のデメリットとしては「ITベンダーから出てきた見積もりやスケジュールが正しいのかどうかを判断できない状態だった」と話している通り、コストが最適かの判断が出来なかったことに起因しているようです。
(参考:セブン&アイがエンジニアを大量採用、「DXの内製化」に注力する理由)

星野リゾート
次はセブン&アイとは異なり、自社人材の育成という形でDX内製化を図った例として星野リゾートをご紹介します。

星野リゾートでは『イノベーションを通じて新しい運営方法を創造すること』『顧客に近いスタッフが変化を恐れず挑戦すること』『フラットな組織文化を重視すること』というビジョンを掲げています。

これらの取り組みを具体的に実現するための仕組みの一つが全スタッフIT人材化であり、ローコード・ノーコードツール『kintone』を使用だったようです。

DX内製化の背景としては競合他社との差別化があり、外部委託では改修サイクルが遅れることなどを懸念に内製化に踏み切っています。
(参考:星野リゾートが800ものアプリを内製 全スタッフIT人材化によって顧客体験を深化

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