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【行政DXの取組内容とは】現状の課題や取り組み事例を交えて解説

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行政DXとは

行政DXは、「これまでの業務を利用者の視点から見直し、使える技術や情報を賢く活用して、より良い仕事、より良い行政サービスにつなげる」ことと言われています。
近年、あらゆる場面で叫ばれているDXですが、取り組みの対象は民間企業だけではなく、行政・自治体も同じです。

目覚ましく進化するデジタル技術を経済や社会に積極的に取り入れ、様々な課題の解決や新しい価値の創造に繋げていくことが行政サービスでも求められます。

行政DXが必要な理由

行政や自治体において、DXが必要といわれている主な理由を2点挙げられます。

自治体職員の減少
行政による統計では、2021年4月1日時点で、1994年と比較すると約48万人の職員が減少している状況です。減少の要因としては、行政改革による人員削減、団塊世代の退職、市町村の合併等が挙げられます。近年では、職員の数が前年比で微増(約1%)の状況ですが、日本の全人口の減少も進んでおり、今後も増え続けていくことは難しいと言われています。
(参考:地方公共団体定員管理調査結果)

人口構造の変化によって山積みになった課題
次に挙げられる理由は、人口構造の変化により山積みになっている課題解決のためです。例えば高齢者の増加による社会的孤立の防止や高齢者への虐待などが挙げられます。行政の職員は、人口構造の変化によって新たに発生した課題の対応に追われ、業務量が増加し負担が大きくなっています。一人ひとりの業務量が増え、対応が追いついていない事から行政DXの推進が求められています。

行政DXの現状と課題

行政・自治体においてDXが必要な理由を述べてきましたが、実際にどの程度DXが推進されているのか、また推進時の課題についてご紹介いたします。

行政DXの現状
まずは日本における行政DXですが、「遅れをとっている」ということがデータからわかっています。政府のオンライン化率は約12%であり、完結率は7%台に留まっています。そのため、オンライン未実施の手続きの中で、オンライン可能な割合は約96%もあると言われています。
(参考:株式会社日本総合研究所 野村敦子氏「自治体DXの動向と課題~国内外の先進事例に学ぶ~)

行政DX推進上の課題
では、なぜ日本の行政DXは遅れているのでしょうか。推進の妨げになっている主な課題を3点ご紹介いたします。

【アナログな文化と風習】
まず一つ目に挙げられる課題は「アナログな文化と風習」です。
民間企業においては、DXが叫ばれる昨今、紙文書の承認フローやFAX廃止が多く進められています。しかしながら、行政においては依然として紙をメインとした業務を行っていることが相応に発生しています。
紙を使った業務を行っている限りはデジタイゼーションも達成できず、DX推進は難しいでしょう。

【IT・デジタルに関する理解の不足】
二つ目に挙げられる課題は「IT・デジタルに対する理解の不足」です。
民間企業では競合他社よりも優位になろうと新しい技術や人材を積極的に活用していく傾向があります。一方、行政では特に新しい技術や人材を取り込まなくとも大きな問題に発展していくことはないため、「DXが分からない」という声も多くあります。

そのような意識、理解不足であれば、なかなかDX改革は進みづらいでしょう。

【厳しい財政状況】
三つ目の課題は「厳しい財政状況」です。
国・地方の合計長期債務残高は1990年時点で266兆円だったものの、2021年度末には約1,212兆円にまで膨れ上がっています。そそのため、DX化による予算がなかなか割り当てられず、結果としてDX化が進まない、というケースも発生しています。
(参考:地方行財政の課題

本来取り組むべき行政DXの作業内容

現状、行政におけるDX活動は遅れていますが、ここでは本来行うべき取り組み内容について紹介致します。

行政DXの戦略立案
まずはDX推進にあたっての戦略を策定することです。
これは民間企業だけに限らず、公的機関でももちろんのこと、何のためにDXを行うのか、DX推進後の目指すべき姿は何か等の戦略を策定します。

行政データの利活用
行政では、デジタル化が進む中で、新たなデータ戦略「包括的データ戦略」を公表しています。包括的データ戦略では、日本のデータリテラシーの低さやプライバシーに関する強い懸念等が課題から、これまでデータの利活用が進んでこなかったと言われています。

そのため現在は、行政機関全体のアーキテクチャを策定し、マイナンバー制度をベースとした行政データの利活用が行われています。
(参考:包括的データ戦略)

AI・RPA等の活用による省人化・効率化
次にAI・RPA等の利用推進です。行政の情報システムの標準化、手続きのオンライン化による行政サービスの見直しを皮切りに、AI(人工知能)やRPA(業務プロセスを自動化するロボット)の導入が推進中です。

ITシステムの見直しやクラウドサービスの導入
行政では、共通基盤として複数のITシステムを利用していますが、それらのシステムはレガシー化しつつあり、新システムへの更改が求められています。
そこで各公的機関においては、現システムの見直しによる次期システムの導入およびクラウドサービスへの切り替えが求められており、推進中の状況です。

既存業務の標準化
次期システムの導入やクラウドサービスの切り替えが進む中で、同時に行われているのは既存業務の標準化です。
行政では、既存システムをただ入れ替えるだけでは業務が効率化されず、新しい業務などの対応などで対応が困難になると言われています。

そのため、まずは既存業務の標準化を行うことで、次期システムやクラウドサービスなどの機能を最小化し、変化に対応ができる業務へと改革を行っています。

テレワークの推進
コロナウイルスの蔓延による感染症対策において、公的機関でもテレワークを推進しています。
テレワークを導入する中で明らかになった業務の弊害に対しては、対応策を検討、整理したうえで、日々高度化が進められています。

行政手続きのオンライン化
国民がデジタル化による利便性を享受できるよう、行政はマイナンバーカードを用いて続きをオンライン化する方向性で取り組んでいます。現時点でもマイナンバーIDを利用する事で手続きはオンライン化されてきましたが、今後は更に多くの手続きあオンライン化するでしょう。

行政DXの取り組み事例

行政・自治体における主な取り組み内容についてご紹介しました。ここからは具体的なDXの取り組み事例についてご説明いたします。

国内の事例①:管理業務の効率化
一つ目は公民館やスポーツ施設などの公共施設の窓口業務に関して、オンライン予約や受付なしでの入退室管理などができるシステムを導入した事例です。

結果として、窓口業務についていた担当者の業務が省人化され、より高付加価値な業務へシフトすることができました。
加えて、利用者も予約から利用までをオンライン上で完結ができるため、スムーズな利用により、利用者数も伸ばすことに成功しました。
(参考:茨城県小美玉市 公共施設の予約・貸出をオンライン化)

国内の事例②:監視業務の高度化
二つ目は、河川の監視業務を、デジタル化により高度化させた事例です。
ある公的機関では、河川の監視業務に大幅な作業時間がかかるという課題を抱えておりました。そこで防災用に河川に関する様々なデータを一目で確認ができるダッシュボードのツールを導入しました。
今までは職員が河川の現場まで出向いて目視で確認していた作業を、デジタルでデータを集計し、ダッシュボード上での確認、対応策の検討などを行える形にしました。

結果として、作業員の派遣工数の削減に加え、業務自体をタイムリーかつ正確な情報を本部で確認することができるようになりました。
(参考:水防災情報の発信強化プロジェクト【建設局】)

国内の事例③:採用業務の効率化
三つ目は、採用業務の効率化に関する事例です。
従来は各自治体内での対面面接が主流でしたが、コロナ禍の影響もあり、オンラインで面接ができるツールを導入しました。

結果として、離れた大学に通っている就活生からの応募、採用を確保することも可能となり、採用業務の効率化および人材の高度化につながりました。
(参考:市職員の採用面接をLINE WORKSのビデオ通話で実施。)

海外の事例①:韓国の事例
韓国で行政DXを成功させた事例として「政府24」という行政プラットフォームがあります。
これは、24時間365日どこからでもオンライン上で各種証明書の発行等の住民手続きを可能にするシステムです。

このプラットフォームは非常に深く検討されており、使いやすさや見易さ、利便性の観点で国民に寄り添って導入、活用されているため、韓国の行政DXの成功事例として挙げられます。
(参考:韓国行政プラットフォーム「政府24」の衝撃)

海外の事例②:中国の事例
中国では個人の信用度をスコア化される「社会信用システム」というシステムを導入しています。
これは、国民個人の所得や経歴などの社会的地位をデータで収集し、ランキング化することで、個人の信用度をスコア化させる仕組みです。

結果として算出されたスコアは銀行融資などに用いられており、データドリブンな事例として評価されています。
(参考:中国が導入「社会信用システム」、信用スコアのランクが高い人と低い人の違いとは【用語解説】)

海外の事例③:デンマークの事例
デンマークで行政DXを成功させた事例としては、住所や不動産に関するマスターデータが差作成、導入されたことが挙げられます

このデータがあることにより、不動産取引の際に発生するリサーチ業務の手間が削減され、データ分析による未来予測やアドバイザリーなどに活することが可能になりました。
(参考:世界で進む行政のデジタル・トランスフォーメーション。)

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