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基幹システム入れ替え時「仕様変更を減らす」ための注意点~場合別ポイント~事例まで

【基幹システム入れ替えのポイントまとめ】必要性や成功のコツを解説DX

入れ替えが必要な理由

企業は販売、購買、在庫、会計、人事など様々な領域を管理・効率化するシステムを導入しますが、どのようなタイミングでその入れ替えは必要になるのでしょうか。

既存のシステムで対応できない業務が出てくる
基幹システムによって広範囲の業務をカバーすることができますが、時代に合わせて業務フローも変更されます。そのため、古いシステムをずっと使い続けていくことには限界があります。

システムのパフォーマンスが劣化する
基幹システムの処理が遅かったり障害で止まったりしてしまうと、後続の業務がすべて遅延またはストップするという事態になります。システム障害を完全なゼロにするということは難しいですが、最小限に抑えられるように対策することが必要です。

最新の技術を取り込むことができない
AIやブロックチェーンなどの最新技術を取り入れることができるかどうかはビジネスを成功させる重要なファクターの一つになります。また、最新技術を取り入れることは、他企業と比べて自社の競争優位を保つ上でも重要です。古いシステムを使い続けることで業務の効率化・最新化ができないということは顧客や優秀な社員の他社への流出に繋がってしまいます。

外部ベンダからのサポートを受けられない
IT企業は開発したソフトウェアが古くなりサポートをストップすることがあります。そうなるとバグの修正やセキュリティパッチの提供が行われなくなるため、業務の継続が困難になり会社の重要な資産であるデータをセキュリティ面で危険にさらすことになります。

 適任の開発担当者がおらず保守が難しい
たとえば、フルスクラッチで自社開発したシステムなどの場合、そのシステムを修正できるのはその開発担当者のみということはよくあります。そのため、その開発者が退職や異動などをしてしまうとその保守が難しくなります。大きな改修が必要になった場合は、入れ替えも手段の一つとして検討しても良いでしょう。

システムが使いにくい
古いシステムだとインターフェースがわかりづらかったり時間がかかることもあります。社員が新しい取り組みを始める上で障害になり、その意欲をそぐ結果になることもあります。最新のシステムで直感的にわかるように工夫されているシステムがあれば、入れ替えを検討する理由の一つになります。

リモートワークに対応できない
基幹システムがリモートワークに対応できないということが入れ替えの理由になるケースもあります。新型コロナウイルスの影響でリモートワークを採用する企業は増加していますし、BYOD(Bring Your Own Device、個人の端末で職場の仕事を行うこと)を採用する企業も増えています。そうなると主にセキュリティ面の対策が必要になりますが、古いシステムが技術的な問題でその対応ができないものだと入れ替えが検討されることもあるでしょう。

入れ替えを成功させるポイントと注意点

新システムへの要件定義を詰めることが必要ですが、その他にもシステム入れ替えのための注意点があります。

開発チームに求める役割を理解してもらう
開発完了後、開発チームからのサポートが手薄になることがありますが、それで終わりではありません。開発チームには、その後もデータ移行、ユーザーへのトレーニング、運用のサポートなどにも対応してもらう必要があります。開発、テスト、運用、などフェーズごとに開発チームの役割を明確にしておくことが求められます。

ユーザーとの認識齟齬が起こらないよう工夫する
開発中も要所でユーザーと最終成果物のイメージを確認しておくなど、常に認識合わせをしておくことが必要です。近年では、システム開発プロジェクトで従来のウォーターフォール型ではなくアジャイル型の開発を選択する企業が増えているのはこのような背景もあります。

プロジェクト開始後の仕様変更は極力行わない
開発開始後の設計変更はプロジェクトの遅延や致命的な不具合を発生させてしまうことになるので極力行わないようにします。テストフェーズ以後は不具合修正以外の更新は行わず、追加要件はプロジェクト完了後にスケジュールを立てて実施するなどの対応が必要です。

業務に支障がでない品質を担保する
そもそも開発したシステムが動かないこともあります。このような事態を防ぐためには、本番環境へのリリースの前に、単体テスト、結合テスト、総合テスト、ユーザーテスト、リグレッションテスト、ストレステストなど、必要なテストを明確にして確実に実施します。

基幹システムからERPに置き換える場合

基幹システムをERPに置き換えるプロジェクトを成功させるには、要件を明確にして、どのように業務を再構築するかを考え計画します。

要件定義、計画フェーズ
現行のシステム・業務の調査、プロジェクトの立ち上げ、システムへの詳細な要件を定義します。また、プロジェクト全体のスケジュールも決定し、必要なリソースを準備します。

設計フェーズ
要件をもとに新しく開発するERPを詳細な設計に落としていくフェーズです。最終的に新しいシステムがユーザーに受け入れられやすいものにするためにも、この段階でも既存のユーザーを巻き込み設計を進めることが重要です。

開発フェーズ
システム全体でカスタマイズが求められる部分や他システムとの連携部分(APIなど)の開発を行います。開発と並行してユーザー向けのトレーニング資料の作成や、データ移行用の成果物(移行スクリプトなど)の作成などもこのフェーズで行っておくことが多いです。

テストフェーズ
開発が完了したシステムが想定通り動作することを確認します。ERPプロジェクトの場合、開発フェーズとテストフェーズは同時並行で進んでいくことがよくあります。モジュールごとに進捗が異なることがあるので(一部は開発中、一部はテスト中、など)、開発に合わせてスケジュールを調整し効率よくテストしていくことが求められます。

導入フェーズ
システムを本番環境で使える状態にします。具体的には、システムリソースの本番環境への配置やデータ移行の実施などがあります。また、不測の事態が起こった時のためのプランを用意しておくことも重要です。

運用・保守フェーズ
本番稼働後に発生したトラブルへの対応や、ユーザーからのフィードバックを参考にシステムの調整などを行います。また、新機能の開発などもこのフェーズで発生します。

基幹システムをクラウド移行する場合

クラウドのメリットについて
基幹システムのクラウドへの移行プロジェクトも多くの企業で計画・実施されています。基幹システムに限らずシステムのクラウド化には多くのメリットがあります。

コスト削減
クラウドにより必要最低限の機能を利用できます。また、利用機能やスペックの拡大縮小にも容易に対応できます。

セキュリティの向上
クラウドサービスを提供する企業のセキュリティ専門のチームにセキュリティ面の対応を委託することができます。一般的な企業のIT部署よりも高度なセキュリティ対策が実施されています。

利便性向上
いつでもどこでもどの端末でもクラウドにアクセスして仕事ができるようになります。

データロスリスクの軽減
データは端末ではなくクラウド上に保管されクラウドでバックアップを取得できるのでデータロスのリスクを減らすことができます。

導入
アプリの導入が迅速になります。クラウド上に用意されたアプリを利用するため、端末へのインストールなどは不要です。

社員の連携の効率化
別の場所にいる社員とも容易にコミュニケーションが取れるようになり、クラウドサービスを利用することでファイルの共有なども楽になります。

運用の効率化
ソフトウェアのインストールなどその管理はクラウドサービスの提供会社に委託できるものもあるため、システムの運用を効率化できます。

クラウド移行の手順について
システムのクラウド移行は、一般的には以下の手順で実施されることが多いです。

現行システムの分析、調査
まずは現行のシステムがそのままクラウドに移行可能かどうかを確認します。クラウドがサポートしているサービスであるかということや、追加で開発が必要なものは無いか、設定変更など調整が必要な部分などが無いかも確認します。

クラウド化に合わせたアプリケーションの改修
クラウド化に合わせて現行の基幹システムを必要に応じて改修します。

データ移行
設定ファイル(iniファイル、xmlファイルなど)や、データベースに保管されているトランザクションデータなどの移行を行います。

アプリケーションのインストール
システムをクラウドにインストールします。

テスト、運用
移行したアプリケーションが想定通りに動作することを確認します。また、パフォーマンスも確認します(クラウド化する前と比較してシステムの処理速度が遅くなっていないかどうかなどを確認します)。

コンサルティングファームのプロジェクト事例

コンサルファームの実際の基幹システム関連のプロジェクトには例えば以下のようなものがあります。

・フルスクラッチの基幹システム開発をPMOの一員として支援する案件
・Salesforce(CRMシステム)の開発・導入の支援をする案件
・SAP(ERPシステム)をグループ共通の基幹システムとして導入支援する案件
・基幹システムの再構築に伴い旧システムからのデータ移行計画を支援する案件

例えば、大手人材派遣グループ会社の基幹システムのクラウド化・再構築プロジェクトが事例にあります。

その人材派遣会社にはもともと、「グループ中でそれぞれの会社ごとに独自に開発した基幹システムを使用し人材の採用・管理・派遣の業務を行っていたため、同じグループ内でも会社間の連携がうまくできておらず、クライアントのニーズにあった人材を効果的に提供しにくい」という課題がありました。

その解決方法として「グループで共通の基幹システムをクラウド上に作り、グループで人材を一括管理できるようにする」ということを目的としたプロジェクトを立ち上げました。結果、そのクラウド上の基幹システムによりクライアントが求める人材を適切なタイミングで派遣できるようになり、従来の課題を解決することができました。

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