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【建設DXの課題と解決策】事例から学ぶテクノロジーの活用方法

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建設DXについて

建設DXは建設業におけるデジタルトランスフォーメーション
デジタルトランスフォーメーションは建設業界でも導入が進められており、特に建設DXと呼ばれます。建設現場の事故の予防や業務負担の軽減及び人手不足の解消などを目的に、ICTやIoT、AIなどの技術の導入が進められています。

従来から建設業にはこれらの課題意識が以前よりありましたが、図面や設計図などのアナログ管理、師弟関係による技術伝承など特有の慣習があり、これまではDXが進みにくい業界でした。

しかし、新型コロナショックによって対面でのコミュニケーションを軽減する風潮や人手不足の激化によりDXによる建設業のビジネスモデルの変革が急務に。足元は急速に建設DXの導入が進められています。

建設業界が抱える課題とDXの必要性

建設DXが積極化している背景には、建設業界のDX化へのニーズがあります。

技術継承の高度化
建設関連の技術は、師弟関係のような形で長い年月をかけて伝承する仕組みになっていました。地場の工務店はもちろんのこと、大手企業でも終身雇用を前提に、熟練者が若手に技術を伝えていく流れが一般的でした。

しかし、こうした伝統は技術継承に時間がかかるうえ、人材の流動性が高い現代においては、継承が正常に進まないリスクもあります。そこで、DXを導入して知見をデジタルベースで整理したり、属人的な判断が介入しないAIの導入により、技術をスピーディに高度化するなどの対策が進められています。

現場の安全性の向上
重機や重い素材の取り扱い、高所の作業が欠かせない建設業において、事故の予防は重要な課題です。頻発する事故は従業員を危険に晒すことになりますし、工期の遅延などによりビジネス上の影響も重大なものになります。

DXを導入してIoTを活用した機械化により危険な箇所での人間の作業を削減したり、AI技術により安全確保をおこなったりすることが可能です。

人手不足と過重労働の解消
近年の働き方改革の風潮により、過重労働や長時間労働が難しくなる中で、人手不足が問題になっています。コロナによるソーシャルディスタンスの確保や、2024年の労働基準法改正に伴う時間外労働の制限などにより、人手不足は一層深刻化すると想定されます。

プロジェクト管理の効率化や、デジタル技術を作業工程に積極的に導入することで、一現場あたりの作業工数を減らせば、人材を有効活用し、人手不足を緩和させることが可能になります。また、作業員それぞれの負担軽減にもつながります。

建設DXで活用されるテクノロジー

建設DXの導入を検討するうえでは、良く使われる技術を理解しておくことが重要です。

ICT(情報通信技術)
平たく言えばインターネットのことですが、スマートフォンやタブレットなど、モバイル端末の発展により、従来より応用できる範囲が飛躍的に向上しました。

現場管理や作業指示のデジタル化、オンラインでの打ち合わせ実施が、業務の効率化と管理品質の向上につながります。特に建設業においては、図面や現場状況などを画像・映像とともにシェアできるようになるため、ICTの役割は大きいといえるでしょう。

AI(人工知能)
建設業においては、映像技術と組み合わせて、現場の危険度判定や安全確保などに導入されます。将来的にはAIを搭載した機械が現場での実作業の一部を担うことも期待されています。

ディープラーニング(機械学習)
ディープラーニングによりAIを搭載した機械が進化すれば、さらに精緻な管理が可能になります。また、ラーニングしたデータ・ノウハウを活用してさらなる技術の高度化を図ったりすることができます。

SaaS(クラウドサービス)
帳票や図面作成、資料共有などさまざまなクラウドサービスが実用化されています。現在では建設業に特化したものもあり、特に容易に応用可能な技術です。

また、建設業では紙ベース、オフラインベースの資料やデータ共有が多く残っているので、同技術の導入により大幅な業務や管理の効率化の余地があります。

ドローン
高所、閉所など危険な場所での作業が発生しがちな建設現場において、ドローンに期待される役割は大きいといえます。カメラなどを搭載して、人間が行くことの難しい箇所の施工状況や安全性をチェックすることが可能になります。

また、運搬用ドローンも開発が進んでおり、近い将来は高所などへの資材運搬の一部も担える可能性があります。

映像技術
施工現場の情報共有や進捗管理、AIを活用した施工状況の分析など、ここまで紹介した技術の高度化には、映像技術が欠かせません。クラウドサービスを併用すれば、取得した映像を元にした情報共有や分析もスムーズに進められます。

建設DXを進めるためのプロセス

建設DXを効果的に進める流れを解説します。

現場課題の明確化
建設現場の現状を理解するところからDXは始まります。現状どのような課題やリスクが存在するのか、その中でDXによってどの課題やリスクの解決が可能なのかを明確にしていきます。

デジタル人材・ツールの確保
解決すべき課題が明確になったら、それに適したデジタル人材や、ツールの確保を進めます。特に人材採用は、正社員として雇うとなると継続的なコスト要因ともなるので、慎重な判断が必要です。

徐々にデジタル化する
DXというと大掛かりなデジタル化を推進しようとしてしまいがちですが、急激な変化がかえってスムーズな施工を阻害するリスクもあります。まずは身の回りのペーパーレス化、一部のデジタルツールの試験導入など、小さなところからデジタル化を進めることも有効です。

さらなるDX推進のためのデータ収集
建築現場における安全性分析や機械の導入などは一朝一夕で進められるものではありません。試験導入とデータ収集・分析を繰り返しながら、不具合や事故の原因にならないように、少しずつ導入を進めることが有効です。

データの収集と改善を繰り返す
デジタル技術が日々進化していく中、DXの取り組みも終了することはありません。建設現場のデータ収集と分析を繰り返しながら、日々現場の改善に取り組みます。

建設業界のDX事例

最後に、建設業界のDX事例について紹介していきます。

鹿島の建設DX「鹿島スマート生産ビジョン」
大手ゼネコンの一角である鹿島建設ですが、大規模なプロジェクトを多数抱える中で、人手不足が重要課題の一つになっていました。また、働きやすい職場を目指して、過重労働の改善を目指して、DXを導入することになりました。

全社的な鹿島のDXは「鹿島スマート生産ビジョン」と名付けられ、抜本的な改革が進められました。

鹿島ではICTによる遠隔コミュニケーションによる施工管理や、現場へのロボット導入による作業の機械化を推進しました。人が介入せざるを得ない部分は人が対応しつつも、全施工プロセス、管理プロセスについて、可能な限りデジタル技術の導入を行いました。

その結果、作業の50%はロボットによる機械化、管理も50%程度が遠隔でおこなえる体制が整い、業務効率性の向上や、一現場あたりの作業工数の削減につながっています。これに伴い作業員の4週8休(いわゆる週休2日。4週間で8日休暇を与えること)も浸透しつつあります。
(参考:建築の生産プロセスを変革する「鹿島スマート生産ビジョン」を策定|

大林組では従業員の安全性向上にDXを活用

大林組では夏場の建築現場の安全性確保の一環として、熱中症対策に課題意識を持っていました。クーラーなどを使えない場所も多い夏場の建築現場で、体調を崩してしまう作業員が多かったのです。

そこでWBGT(熱中症を予防するための暑さ指数)を計測する機材を開発しました。管理者に現場の作業情報がいき、熱中症の危険があればアラートが飛ぶ仕組みになっています。

作業の邪魔にならず、運用も簡単だったため、各施工現場で普及しました。効果も上々で、熱中症者を0人にする成果も実現しました。
(参考:建設現場で複数点のWBGT(暑さ指数)を連続測定・一括管理できる「暑さ指数ウォッチャー」を開発

矢作建設の建設クラウドシステムの導入

矢作建設では従来、原価管理システムが古く、データ収集や共有に時間がかかっており、さまざまな管理業務に時間がかかっていたことが課題意識としてありました。

そこで、建設業に特化した会計管理のクラウドシステムを導入しました。原価計算・注文管理や予算、収支などを一括管理したうえで、電子化や管理業務の標準化を推進しました。

結果として、会計管理にかかる工数を大幅に削減し、またスピーディな対応が可能になりました。例えば、現場からの発注依頼に対する承認に従来は3営業日かかっていたところ、即日で実行できるようになりました。
(参考:矢作建設工業株式会社様: 事例紹介 | NEC

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