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プロジェクトが「炎上」した際の対処法とは?事前にPMが取り組むべきことも合わせて解説

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炎上プロジェクトとは

「プロジェクトが炎上する」という言葉に明確な定義はありません。よくIT関連のプロジェクト等で使われることが多いですが、大枠の意味では「大きなトラブルが発生し、円滑な業務遂行が不可能な状態に陥り、関係者が残業続きになること」をプロジェクトが炎上すると表現されます。

つまり、完了の目途がたたず、やるべきタスクが減らない等の負の状況である事を指します。場合によっては顧客との契約金額の変更に関わる交渉や裁判などが発生することもあり、「デスマーチ(死の更新)」と呼ばれることもあります。

プロジェクトが炎上する主な原因

ここでは、「プロジェクトが炎上する原因」について詳しく説明していきます。プロジェクトが炎上する理由としては、次の3つがあります。
・スケジュールとタスクの甘い見積り
・不十分な合意形成
・把握できていない作業の進捗状況

スケジュールとタスクの甘い見積り
まず挙げられるのはスケジュールとタスクの見積りが甘いことです。これらが起こる要因としては、タスクの設計者がプロジェクトテーマにおける専門的な知見におけるスキル不足などが挙げられます。甘い見積もりを防ぐためには、まずはやるべきタスクを徹底的に洗い出し、タスクごとに作業工数を見積もる必要があります。

加えて、プロジェクト活動においては、余裕のないスケジュールで組んでしまうと、追加タスクや不測の事態への対応が難しいため、ゆとりを持たせてスケジュールを組むことが重要です。

不十分な合意形成
次に挙げられる原因は、関係者間での合意形成が十分になされていないことです。最初の提案段階において、プロジェクトの内容を互いに確認し、合意のうえで進めることが通常ですが、コンサルタントの提案内容の難易度が高く、あいまいな形で顧客が承認するケースなどに見られます。

そのような状況下でプロジェクトを推進してしまうと、途中で先方のキーパーソンである社長や取締役などの経営層が「思っていた事と違う!」等のご意見が挙がり、急な方針転換がなされ、当初立てたスケジュールどおりに進まず、作業時間が大幅に増加してしまいます。
そのため、プロジェクトゴールをしっかりと関係者間で明確に定義づけしておかなければ、途中で、方針転換を余儀なくされてしまうので、結果的に炎上プロジェクトを招いてしまうことになるのです。

把握できていない作業の進捗状況
プロジェクト内のタスクの進捗状況が把握できていないことも原因として挙げられます。このような状況が発生してしまう要因は進捗確認をする場がないことやWBSが更新ができない等の管理体制面での問題などが挙げられます。そのような状況で各メンバーのタスク進捗状況が分からなければ、炎上の発端となるタスクの遅延の発生を未然に防ぐことができず、結果として炎上につながってしまいます。

加えて、進捗状況が見えていない状況で追加タスクを割り振った場合、進捗が思わしくないメンバーに業務負荷がかかってまい、プロジェクトを円滑に進めることができなくなります。

炎上プロジェクトの火消し方法

ここでは炎上したプロジェクトに対して、どのように対処するべきか、火消し方法をご紹介します。
炎上プロジェクトの火消し方法としては、次の4ステップで行います。
ステップ1:原因の特定
ステップ2:タスクの洗い出し
ステップ3:タスクの工数見積もりとスケジュール設定
ステップ4:タスク振り分けと実行

ステップ1:原因の特定
第一に行うべき事項は、プロジェクトが炎上している原因を特定する事です。
プロジェクトが炎上してしまうと時間に追われ、タスクをこなそうと視野が狭くなりがちです。そのような状況だからこそ、まずは一度立ち止まり、何が原因で炎上しているのかをチームで特定することが重要です。原因を特定しなければ、最良の改善策も見いだせず、炎上している状態から抜け出せない状況になってしまう可能性もあります。

ステップ2:タスクの洗い出し
次に行うべきことは、特定した原因を改善する(=火消し)ためのタスクを洗い出すことです。ここで重要なことは、焦る気持ちをおさえタスクを抜けもれなく徹底的に洗い出すことです。抜けもれがないように洗い出すには、知見や経験が豊富なパートナーやディレクター、顧客の役員の方々にレビューを頂くことも一つの手段となるでしょう。複眼でタスクの洗い出しができているかどうかを確認することが重要になります。

一方、洗い出したタスクが膨大になるケースが見受けられます。その場合は一度にすべてのタスクに取り掛かることは不可能ですので、まずは火消しに直結するタスクを今すぐに取り組むべきタスクとし、それぞれのタスクに優先順位をつける事が大切です。

ステップ3:タスクの工数見積もりとスケジュール設定
ステップ3では、ステップ2で洗い出したタスクを具体化していきます。これは、各タスクの作業内容を明確にし、スケジュールを組んでいくためです。
加えて、作業内容が具体的になっていない場合、タスクの実施者であるメンバーの手が止まってしまい、火消しに時間がかかってしまいます。そのため、優先順位付けと同様、各タスクに対して具体的な作業内容とそれにあわせた工数見積もりを出し、火消しまでの対応スケジュールを引くことも重要です。

また、具体化したタスクやスケジュールなどは顧客との合意が必要です。その際には、炎上プロジェクトのPMよりは、プロジェクト責任者が表に立ち、火消しリードして頂く方が、顧客の気持ちを静め、冷静な議論を行うことができるでしょう。

ステップ4:タスク振り分けと実行
最後に具体化したタスクをメンバーに割り振ることです。ここで大事なことは、ただタスクをメンバーに均等に割り振るのではなく、ステップ3で具体化したタスクの内容に対して、メンバーの特性や経験、強みとその時点でのタスク量を総合的に鑑みたうえで割り振ることが重要です。考慮せずに割り振った場合、最短スケジュールでの火消し対応が行えず、作業の効率が落ちてしまいます。

なお、火消し対応は緊急を要する場合も多いため、タスクを行う最適なメンバーがいない場合には、追加の要因を手配するなど、臨機応変な対応も必要でしょう。

プロジェクトを炎上させない方法

ここではそもそも炎上させないためにどうすればよいのか、説明していきます。
プロジェクトを炎上させない方法としては次の4つがあります。
・顧客との十分な合意形成
・適切なタスクとスケジュール設計
・課題や進捗確認等の適切なプロジェクトマネジメント
・メンバーとの活発なコミュニケーション

顧客との十分な合意形成
まずはプロジェクト関係者、ステークホルダーと開始前に十分に議論を重ね、同一の方向性を持った形でスタートさせることです。プロジェクトのゴールに、お互いの齟齬があれば、炎上を避けることはできません。

そのためには、何度も繰り返し議論を重ねることが必要です。時間と手間はかかりますが、じっくりと丁寧に互いの考えや意見をブレストしながら、双方が腹落ちするまでの議論を行うと徐々にベクトルの向きがあってきます。

適切なタスクとスケジュール設計
次に重要なことはタスクとスケジュールを適切に設計することです。これは火消し対応でも通常時でも大きく変わりないですが、タスクを洗い出し、具体的な作業内容にまで落とし込んだ段階で工数を見積もる事が重要です。タスクの名称だけでは人によって作業内容が異なるため、炎上してしまう懸念があります。

タスクを具体化し、スケジュールを組むこととあわせてメンバーへの適切な割り振りが炎上を防ぐことになるでしょう。

課題や進捗確認等の適切なプロジェクトマネジメント
次にプロジェクトマネジメントも重要です。先に述べた適切なタスクとスケジュール設定を行っただけでは、順調にそのタスクが進んでいるか把握できません。そのため、上位層は、メンバーのタスク進捗状況を確認し、管理体制を適切に行う必要があります。炎上プロジェクトにおいては、迅速に対応しなければならないタスクが多数ある状況ですので、なるべく高頻度で密なプロジェクトマネジメントが効果的です。

加えて、タスクの進捗確認だけではなく、メンバーから課題を吸い上げる事も重要です。なぜならば、メンバーのボトルネックを対処しなければ、タスクが後ろ倒しになり、炎上してしまう可能性があります。そのため、タスクとスケジュールをあわせて適切にメンバーの課題を吸い上げる事も大事になるでしょう。

メンバーとの活発なコミュニケーション
最後にメンバーやメンバー間でのコミュニケーションも非常に重要です。お互い積極的にコミュニケーションをとることができれば、プロジェクトは円滑に進みます。なぜならば、オープンな場では発言できる機会が多く、また悪い内容であっても発言のハードルが下がるため、関係者間でタスクの状況や課題状況などを把握しやすくなります。

そのため、オープンな雰囲気を作る仕組みを設けることも炎上プロジェクトを避ける一つの手段です。
なお、雰囲気作りが難しい、メンバー間のコミュニケーションがうまくいかない、といった場合には、定期的な情報交換の場を設けることや困ったときの相談窓口などを設けておくことで、情報共有がスムーズになり、プロジェクトも円滑に進めることができるでしょう。

コンサルティングプロジェクトにおける炎上事例

ここからは過去の炎上プロジェクト事例をご紹介いたします。

事例①:顧客の新たな権力者介入による炎上
一つ目の事例は顧客との合意形成において、一部の権力者との合意が漏れていたというケースです。この事例はある大規模システム刷新プロジェクトだったのですが、開始前に目的やゴール、成果物や納期など、社長およびIT部門長との合意形成を図り、プロジェクトを開始しました。

しかし、実際にプロジェクトを進めていくと、業務部門の協力が必要となり、数多くのヒアリング・インタビューの打ち合わせを調整しました。そこで業務部門長が新たに介入し「そんな話は聞いていない」と、顧客との折り合いがつかず、プロジェクトが炎上してしまいました。結果として、プロジェクト遂行が困難になったため、途中で契約解消にまで至りました。
その後、改めて社長と業務・IT部門長との合意形成を図り、契約を再締結して円滑にプロジェクトを進めることができました。

事例②:メンバーの管理不足による炎上
次の炎上プロジェクト事例はプロジェクトマネジメントが原因となった事例です。ある団体のブランドサイト構築プロジェクトにおいて、あるエンジニアをアサインし、任せることにしたのですが、納期直前で成果物が何も出来ていない状況でした。

プロジェクト開始時には「頑張ります!」と張り切った声だったので期待を持っており、プロジェクトが始まってからも「順調です!」という報告。プロジェクトマネージャーはその言葉を鵜吞みにし、納期直前に実際の成果物を確認しませんでした。
結果納期に間に合わず、顧客に対して多大な迷惑をかけてしまいました。その後、要因を追加して何とかプロジェクトを完了させる事ができたものの、プロジェクトマネジメントをしっかりと行い、メンバーの課題を特定できていれば、未然に防げたかもしれません。
(参考:メンバーの「順調です!」を鵜呑みにした結果

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