コンサルティング

ビッグデータの「活用事例」を業界別に解説。活用メリットや注目されている背景も同時に学ぶ。

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ビッグデータとは

人間の能力だけでは把握や処理に限界があるほど巨大なデータ群のことをビッグデータといいます。ビッグデータは様々な種類や形態がありますが、一般的には3つの特徴としてVolume(量)、Variety(多様性)、Volocity(速度や頻度)を備えています。

ビッグデータの活用が注目されている背景

ビッグデータが活用されている背景として、インターネットの普及、インターネットを利用するためのデバイスの開発・進化、それらのユーザーの増加、Eコマースの需要増加などがあります。ビッグデータを活用することで需要予測の高精度化、より顧客のニーズにマッチした商品の提供が可能になるなどが期待でき、マーケティング施策を実施する上では欠かせない存在となりつつあります。

ビッグデータの活用事例

新型コロナウイルスの流行によりビッグデータを活用する企業は増えています。ビッグデータを活用することによって、従来のマーケティング戦略では実現できなかった課題の解決や売上アップに成功している企業がたくさんあります。今回は、小売業界や観光業界など8業界の事例を紹介します。

小売業界

小売業界は消費者の傾向を分析するという活用方法が一般的です。ビッグデータを活用しターゲット層の属性や購入頻度、時期などを分析することで、発注や在庫の管理に役立てていきます。

ヤクルト

ヤクルトのオランダ法人は、顧客の習慣的購買行動を様々な経路によって収集したビッグデータを分析し、消費者の購買行動に関してより詳細な情報を得て15〜20%の売上向上に成功しました。

2015年度の全世界のヤクルトの売上は30億ドルを計上しています。ライバル企業であるフランスに本社がある「Groupe Danone」も2004年からプロバイオティックス飲料を発売しています。両企業の類似商品により市場シェアが傾くかと思いましたが、翌年は両社とも売上を伸ばしていることがわかっています。
(参考:ヤクルトの売り上げを大幅に伸ばしたデータアナリティクスの秘密

ダイドードリンコ

コーヒー飲料を主力商品としてCMや広告などに出稿しているメーカーです。大手飲料メーカーのダイドードリンコでは視覚計測のデータと顧客アンケートの結果を分析し自動販売機の下段にメイン商品を配置したことで、売上増加に成功しました。これまで飲料業界では常識とされていた商品のサンプル配置(左上からZ字型に視線が動くため左上の商品が売れると考えられていた)を改める結果になりました。
(参考:総務省 国内ビッグデータ活用事例

株式会社グッディ

九州地方を中心に展開しているホームセンター株式会社グッディは、社内のPOSデータや人の移動状況、時間別の来客数などの様々なデータを分析しました。その結果として、コロナ禍で増えた短縮営業がかえって“密”を生み出す原因になることを発見し、通常営業を続けることにしました。

グッデイでは、Tableauを活用したデータ分析とその分析結果を共有しながら、各支店の店長にも細かい方針説明をしていました。ITの活用により株式会社グッデイの社長柳瀬さんは、「頭の中で考えたことを言葉だけで話すのでは、正確に伝えることは困難です。しかし実際の数字を可視化して見せることで共通認識が生まれ、こちらが考えていることを正確に伝えることができます。」とコメントしています。
(参考:感染者数や来店客数のデータをTableauで分析

官庁・行政

神奈川県川崎市

神奈川県川崎市では交通渋滞の緩和や交通安全のためにビッグデータを活用し、そこから得られた情報をもとに交通事故を減らすための施策を実施しています。協力会社としてナビタイムジャパンと一緒に取り組みを行いました。

ナビタイムジャパンでは、カーナビアプリである「ドライブサポーター」「カーナビタイム」といった交通分析システムを提供しています。これらのシステムを活用しているユーザーに同意を得て、走行実績の調査をしています。GPSにより1秒から6秒間隔でデータを受信することが可能で、交通量や速度分析、走行挙動分析に利用されています。
(参考:自治体通信ONLINE

兵庫県加古川市

兵庫県加古川市では地図上で確認できるダッシュボードを構築し、地域の人は誰でもAEDの設置場所や防災関連施設など万が一の場合の安全確保の必要な情報を確認できるようにしています。地域の人々の安全な暮らしのためにも様々な場所でビッグデータが活用されるようになってきています。
(参考:自治体通信ONLINE

宮城県気仙沼市

宮城県気仙沼市では過去に起こった災害などの気象データや被害の記録などをもとに分析し、今後発生する可能性がある災害の規模の予測や行うべき災害対策などの立案に役立てています。
(参考:行政・自治体ではビッグデータをどう活用している?

金融業界

スマートフォンの普及やデバイスの進化により、金融業界でのビッグデータの活用は必要不可欠となりつつあります。

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券は、ビッグデータを活用し、そこから得られた情報をもとに顧客一人一人に合わせたフォローやアプローチの実施が可能になったことで、顧客生涯価値の向上に成功しました。活用したプラットフォームは、株式会社フロムスクラッチが開発した「b→dash」です。岡三オンライン証券では、新たな投資サービスの創出によるマーケティングの最大化を目指しており、AIを活用した投資アドバイスの構築も進めています。
(参考:岡三オンライン証券が「b→dash」を活用し、ユーザーのビッグデータとAIによる新たなレコメンドサービスを開始

証券取引等監視委員会

証券取引等監視委員会は、ビッグデータやAIを活用し銘柄の調査などを行うことで、不正取引などを検知しています。収集するデータは、有価証券報告書や取引所の開示データ、マクロ経済データなど証券情報に関するデータを対象にしています。これらの情報収集により取引傾向と異なる動きを検知して不正取引の摘発を引き締めています。
(参考:証券監視委が不正摘発にビッグデータ活用、概算要求に計上へ

千葉銀行

千葉銀行は、ビッグデータを顧客への営業に活用することによって、より顧客のニーズにマッチした商品の提供ができるようになりました。活用したのは、AIによる顧客の購買確率を演算する予測モデルです。

構築した予測モデルは、フィンテックベンチャーであるゼネリックソリューション株式会社が開発したソフトウェアを基に、千葉銀行が保有するデータと営業手法を組み込んだ仕様になっています。現在はオンラインバンキングの取引データで活用していますが、マーケティングの観点も加えた改良を今後する予定です。
(参考:千葉銀行、ビッグデータ分析に基づく金融商品購買予測モデルを本格導入

観光業界

観光業界では、ビッグデータを活用し人の動きや意向を把握することでサービス改善や今後流行する観光サービスの予測などが可能になります。

株式会社マップル

株式会社マップルはビッグデータを活用することで、日本国内のそれぞれの観光地の課題を明確にし、観光業界の回復支援を行っています。ビッグデータを分析することで利用者の訪問意欲を把握することができます。
(参考記事:旅行者のビッグデータ解析によって観光地の活性化を支援!

じゃらん

旅行予約サービスを展開しているじゃらんは、ビッグデータを活用することで北陸新幹線延伸による影響や人の動き、外国人観光動態などを分析することができ、サービス向上につなげました。
(参考:観光ビッグ 取扱説明書

自動車業界

HONDA

大手自動車メーカーのHONDAは、ビッグデータを活用し車の走行状況を把握・分析することで、運転手の利便性の向上や街づくり、交通インフラなどに役立てています。クルマが持つデータは様々で急ブレーキ回数や走行ルート、道路の段差などが挙げられます。これらの一見共通していないデータでも都市計画の渋滞解消や防災、都市計画のデータとして役立てられています。
(参考:「自動車×ビッグデータ」まちづくり・防災に活かすクルマのデータとは

トヨタ自動車

ビッグデータにより得られた情報を活用して、異常なアクセル操作を迅速に検知し加速抑制を行う急アクセル時加速抑制機能の開発を実現しました。
(参考:トヨタ自動車、ビッグデータを活用した、ペダル踏み間違い時の「急アクセル時加速抑制機能」を開発、本年夏に導入

EC業界

オンライン販売(EC)が主流になってきた業界では、顧客のサイズが合わず返品処理が起こっています。これらを解消するためにデータを活用した事例を紹介します。

TRUE&CO

女性下着をオンラインで販売しているTRUE&COは、顧客の注文や返品のデータを分析し数値化し、利用者が好きなメーカーやサイズを入力するだけでその人にマッチした商品を提案することができる仕組みを作りました。実際に店舗に行ってサイズを測定してもらうことに抵抗を感じる人や忙しい女性にとって利便性が高いサービスを実現することができました。
(参考:ビッグデータ活用で売上を伸ばす オンライン小売業の成功事例

楽天

楽天はビッグデータを分析したことで、ランキングに上がる頻度が高いほど売り上げは高くなるということを数値的に証明することができました。
(参考:楽天、ビッグデータを分析して消費行動を理解するAIエージェント「Rakuten AIris」を開発

Amazon

大手ECモールのAmazonはビッグデータを活用することで、利用者が興味のある広告を表示したり商品到着までを最短1日というスピードで配達することが可能になりました。
(参考:ユニクロを脅かすアマゾンの”超個客主義”

Walmart

世界中で利用されているECサイトのWalmartは、ビッグデータを活用し顧客の行動を先読みした運営を行っています。顧客が購入したいと思う時期にアラームを発動するという戦略を実施したことで、売上向上を実現しました。
(参考:Really Big Data At Walmart: Real-Time Insights From Their 40+ Petabyte Data Cloud

医療業界

医療業界ではビッグデータを活用して、様々な疾患や疾病に苦しむ患者の共通点から事前に診断する研究が行われています。

産業総合研究所

産業総合研究所はビッグデータを活用しがんの転移と遺伝子との関連性を分析することで、今後の薬の開発やがん予防、早期発見などにつなげていくという計画を進めています。
(参考:産総研生体システムビッグデーター解析

農業業界

ビビッドガーデン

オンラインのマルシェを展開しているビビッドガーデンは、顧客からの評価やその農作物に関するデータを分析して事前に顧客からの評価を予想し、農家の方が持つ「収入の予測が立てられない」という課題の解決に至りました。
(参考:食べチョク

ビッグデータを活用するメリット

ビッグデータを活用することでビジネスの成長につながる可能性があります。下記ではビッグデータを活用することによって得られる3つのメリットを紹介します。

リアルタイムでの需要予測が可能

ビッグデータを活用することで、商品やサービスに対する需要予測をリアルタイムで行うことが可能になります。消費者のニーズ予測やパーソナライズも高精度で行うことができるため、より効果的なマーケティング戦略の考案にもつながります。

顧客へマッチする商品の提供

消費者のニーズや課題をリアルタイムで正確に把握することができるため、それにマッチする商品の提供ができるようになります。

施策の効果検証

ビッグデータを活用することで、実施した施策の効果検証をより正確に行うことができます。高精度な効果検証により、課題点が明確になりそれを解決していくことでビジネスの成長率が高まっていくでしょう。

ビッグデータの活用に潜む危険性

ビッグデータでは詳細な個人情報を取り扱うことがあるため、個人の許可を得ずに公開・譲渡するとプライバシーの侵害になるため、得られた情報は十分注意して取り扱いが必要になります。またデータによっては誤差があったり信頼性の低いデータも存在するため、質と信頼性も担保する必要があります。

まとめ

今回の記事では、ビッグデータの活用事例について解説しました。コンサルティング案件などを探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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